あとがき





 ここまで読んでくださってありがとうございます。お疲れ様でした。誤字・文法の誤り等がありましたら、↓ のちょびちょびメールフォームよりこっそり教えていただければ幸いです。ご意見等もこちらからどうぞ。

 今年、2011年3月に完結しました本作。大変長いことかかりました。なかなか完結に持っていけなかった理由は様々あるのですが、兎に角色んな意味で難産であり、ある意味では安産だったなと、ふり返った今思います。
 3月14日、弘の誕生日に、「THE WORLD.」のカードで物語を完結させることができて幸せです。
 長い間、お付き合いくださりありがとうございます。
 「00 THE FOOL.」ではじまり、「21 THE WORLD.」で終わるこのお話。
 でも本当は、辿り着いたのは完結ではなく出発なのです。
 タロットカードが、『愚者』のカードを(一般的には)起点として円を描くように。
 タロットシリーズでは時間にまとまりがなく、わかりづらい部分も多々あるかと思われます。特に、最初から順番に読んでいったら絶対に「?」が続くだろうと思います。3話め(「02  THE HIGHPRIESTESS.」)でいきなり弘殴られてますしね(笑)
 それでも著者である私は時間軸表を作っていまして、あるとき必要性に迫られて人様にお見せしたことがあります。その中で、「00  THE FOOL.」は「21  THEWORLD.」以外のすべてのカードが出揃った状態、つまり各キャラクター同士にわだかまりのない期間にある、と位置付けて書いてありました。
 ですが、ふと、ああこのカードは別なんだと思いました。まるで他人事のように、すべてのカードが出揃い、通読して、『愚者』の「とあるひとつの可能性」は、どの位置に据えられてもいいものだとはじめて気がつきました。
 不思議なものです。
 出発点も帰結する収束点も、そこに至るまでのすべて、遡る過去の出来事の様々まで隙間なく決定されて書き始められた物語であった筈なのに。
 このカードをどこに組み込むかで、お話の見え方が変わったりするかも知れません。
 それでいいと思います。世界ってそういうものだと思っています。それが少しでも伝わったら、硝子越しのスペクトルや弾ける水のプリズムや泣きたくなるほどの青い空や、はじめて知った涙の重さや恋の色、きっと誰の胸にもあるそんなものたちが、あなたがこの物語に触れたことで、一瞬でも鮮やかに閃いたのなら。
 こんなに幸福なことはありません。
 どうかあなたに、祝福と幸福が絶え間なく降り注ぎますように。

 God bless you.

 この小説の本文レイアウトは、とあるひとにできれば見つけてほしいという気持ちから、彼女のレイアウトを真似ています。今、生きているのかどうかさえわからない、私の命の恩人。見つけてもらえる日が来たらと、心ひそかに願っています。

 




 参考までに。
 このお話は、どのカードを選んで、どんな順序で読んで頂いても大丈夫だと思いますが、アップした順を掲載しておきます。
 ※最初の方につきましては、アップの順番をメモしていなかったので、前後している部分があるかもしれません。ご了承ください。

 00  THE FOOL. 「とあるひとつの可能性」
 01  THE MAGICIAN. 「奇跡の軌道」
 03  THEE MPRESS. 「相関図」
 19  THE SUN. 「光あれ」
 04  THE EMPEROR. 「統べるもの」
 16  THE TOWER. 「LA TRAVIATA」
 09  THE HERMIT.  「神様の恋」
 08  STRENGTH. 「その日を摘め」
 12  THE HANGED MAN. 「主の祈り」
 07  CHARIOT.  「link」
 15  THE DEVIL. 「死に至る病」
 11  JUSTICE. 「ポーカーメイト」
 13  DEATH. 「半睡半醒」
 06  THE LOVERS.「はつ恋」
 18  THE MOON.  「天はひとつぶの涙をこぼした」
 05  THE HIEROPHANT. 「プリズム」
 14  TEMPERANCE.  「悲嘆の涯」
 10  WHEEL of FORTUNE. 「嚆矢」
 20  JUDGEMENT.  「ロスト・エデン」
 17  THE STAR.  「祈りの夕」
 02  THE HIGHPRIESTESS. 「バプテスマ」
 21  THE WORLD. 「光射す庭」

引用元
feodor dostoyevsky(1880).The Brothers Karamazov. The Russian Messenger.(ドストエーフスキー 米川正夫(訳)(1957).) カラマーゾフの兄弟 岩波書店)
モルモン経〜ニーファイ第三書第十四章 3ニー14,3,〜3ニー14,5, / @wiki モルモンの本 ニーファイ第3書
・タイトル引用一覧
はつ恋…『はつ恋』ツルゲーネフ,神西清訳(新潮文庫)/その日を摘め…『歌集』第一巻第十一歌 ホラティウス/主の祈り…祈祷文/死に至る病…『死に至る病』キルケゴール,斎藤信治訳(岩波文庫)/LA TRAVIATA…『椿姫』原題 ジュゼッペ・ヴェルディ/祈りの夕…『祈りの夕』小林かいち/天はひとつぶの涙をこぼした…『天はひとつぶの涙をこぼした 作品37の1』シューマン



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