あとがき。

 

 ここまで読んでくださってありがとうございます。お疲れ様でした。誤字・文法の誤り等がありましたら、↓ のちょびちょびメールフォームよりこっそり教えていただければ幸いです。ご意見等もこちらからどうぞ。

 2013年をまるっと使って連載しましたタロットシリーズ補完編、いかがでしたでしょうか。
 そもそものはじまりは、タロットシリーズがシーン細切れ・時間軸過去現在が混在していて、整理して読んでも空白ができすぎる作品だというところでした。私は基本的に、想像や妄想、予想の余地が残されているのが物語だと思っていますし、読み手に委ねられている部分まで“誰かの神経”が通っているみたいに繊細で、誰にも気づかれない余白さえ美しい、そういうところが小説の醍醐味のひとつだと思っています。
 でもそれにしたってタロットシリーズは細切れすぎやしないか。
 そう思ったのでした。
 で、『ラプンツェルの寝台』がそのとき既に書き上がってアップされていたので、それじゃあお伽噺のタイトルで連作にして、(情報少なすぎる)本編の補完を行おうかなと思った次第でありました。補完とはいえ未だに埋まっていない空白はありますし、補完したことで新しくできた余白もあるかなと思いますし、色々と足したり引いたりして楽しんでいただけましたら幸いです。
 スポットライトが当たっていなからといって、そこに物語がないかといえばそれは違うと思いのです。誰にも知られないままにはじまり、終わり、あるいは今も続いている物語がきっとあると思うのです。一瞬の暗転の中、彼らの心や関係がどう交錯し変化していったのか、『ト思入。』のようなひとつの沈黙としても、僅かでも何か感じていただけましたら、童話をあれこれ読み返した今年一年の私も報われます。報われるとか言いつつ単純に楽しんでいました。童話読み返すの楽しかったです。これだからやめられない!
 読んでくださったあなたの心の端っこに、たとえば幸福の王子様の金箔のひとかけらが落ちていれば、そしてそれを拾い上げてくださったら、私はとてもしあわせです。
 一年かけてお付き合いくださった方も、まとめて読んでくださった方も、これから読むよと言ってくださる方も、ありがとうございます。

 皆様どうぞよいお年を!


 2013年12月、夜中の波の音を聴きながら。



 

 index | text index